袁紹からの命令で味方の混乱を危惧しながらも前線に出てきた。しかし、事態は思わぬ方向へと向かっていった
「魏軍、呉軍、共に後退していきます!!」
馬鹿な!?何を考えているんだ曹操も孫権も!
「このままじゃ前線で孤立す――「城門が開きました!敵軍、突出してきます!!」っ!!」
「このままでは私達に攻撃が集中しちゃいます。一度後退しましょう!」
「でも歩いてる兵隊さんは、そんなにすぐに後退なんてできないよ!」
「くっ、ならどうすれば――」
「鈴々、朱里、ご主人様を頼む!」
「愛紗、どうする気だ!?」
「直衛部隊と共に殿を務めます。その隙にご主人様は下がってください!」
「なっ!ダメだ、殿なんて危険すぎる!」
「ふふっ、ご主人様。私の名は関羽。幽州の大地より出でし大徳を守る最強の矛。その矛があれしきの兵に屈するはずがありません」
「愛紗・・・」
「ここは私にお任せを。行け、鈴々!」
「うんっ!」
大きく頷いた鈴々が俺を引っ張って走り出す
―確かに、史実において関羽は華雄を一刀の元に切り捨てている。だからこのままでもなんとかなるかもしれない。けど―
「待ってくれ、鈴々!愛紗を!」
「大丈夫だよ、お兄ちゃん!愛紗は絶対、無事に帰ってくるんだから!」
「鈴々ちゃんの言うとおりです。だからご主人様は安心して後退してください」
「いや、そうではなく・・・朱里、愛紗が敵の攻撃を受け止めている間に横から迂回して挟撃出来ないか?」
「え?」
「確かに魏軍と呉軍が引いたことで士気は落ちて纏まらないかもしれない。でも両軍が引いた分兵の展開で混乱することはないはずだ」
「それは・・・いえ、そうかもしれませんね」
「援護射撃しつつ鈴々部隊と本陣を両脇に回り込ませて挟撃する。敵もあまり出てきていないようだし、どうだろうか?」
「いける、かもしれませんね。幸い敵はまだ突出してきたばかり、早めに敵大将を倒せば敵も混乱するし、その隙に下がれば」
「よし!軍師のお墨付きだ!早速行動に移ろう!」
「はいっ!両翼の皆さん、弓を持っている人はすぐに構え、合図と共に一斉射してください!三、二、一・・・発射です!」
「これで少しは敵の進撃速度は落ちるかな。鈴々、いけるな?」
「任せるのだ!」
「鈴々隊は前方の関羽隊の影に隠れるように前進、本陣はその後ろから前進です!関羽隊と敵部隊が激突してから左右に展開します!」
「待ってろよ、愛紗!」



「武において私を愚弄するなど、断じて許さん!我が武の器は無比!我が武は無双!貴様等に遅れは取らん!」
「ふっ」
「哂うなぁぁぁ――――!!」
「これしきの挑発に乗るとは愚か。だがその心根こそまさに武人。その素晴しき武人の魂に、我が力の全てを籠めた一撃を―」
「うわぁぁぁぁ!!!」
「「!?」」
緊迫し、今にもお互い全力の一撃が繰り出されようとした時、突然現れた北郷軍が華雄の周囲の兵をなぎ倒した
「そこまでだ!」
「な!?ご主人様!?何故ここに!!」
「鈴々もいるのだー!」
「愛紗は俺達の大切な仲間なんだ。ここで失うわけにはいかないからな、策を使ったって訳。そういう事で、降参してくれないか?」
「くっ、誰が貴様などに下るものか!!」
「っ、ご主人様!!」
邪魔者を排除する為に一刀へ向かう。咄嗟のことに反応が遅れ、愛紗がそれを止めようとするが・・・
「させないよ!」
鈴々が前に出、華雄の戦斧を弾き蛇矛の柄で鳩尾を叩く
「ぐっ、おの・・・れ・・・・・・」
気絶した華雄に縄をかけ、本陣へと移送する。それに併せて北郷軍が後退を始めた
「ご主人様・・・」
「すまん、愛紗。だけど愛紗に怪我をして貰う訳にはいかないんだ」
「・・・・・・分かりました。ご主人様が私の為に、と悪役になってくれたのですからね」
「う、手厳しい」
「ふふ。それでは戻りましょうか。今なら敵も混乱してますし、簡単に下がれそうですね」



それから、本陣での会議において、水間での戦功第一を理由に捕虜の処分を任された
捕虜になった一般兵、将の内恭順するものは自軍に編成するよう朱里に頼んだ
従わないものは解放した。無理強いはしたくないし、それで足を引っ張られても困るからだ
そんな俺は華雄を監禁している場所へと足を向けた
史実においては猪武者としてあっさり殺されてるが、初戦の伏兵やこちらが孤立した途端、瞬時に討って出る等只の猪武者とは思えない

「と、いうわけで俺達の仲間にならないか?」
「何がと、いうわけで、だ。卑怯者の情けなどいらん。さっさと殺せ」
「卑怯者って、あれはそれに対応出来なかったそっちも悪いんじゃないか?」
「うっ。だがあの状況で士気が落ちて、敵の一部隊だけが突出してきたら誰でも後退すると思うだろ」
途端、横を向いて不貞腐れた
(クールで大人な女性がこんな子供っぽい仕草をするのを可愛いと思うとは。これが萌えか及川よ!)
「しかし、誰でもそう思うって事はこっちでは釣り野伏は有効そうだな。後で朱里に言ってみるか」
「釣り野伏?」
「ん?ああ。起源はわからんが、俺の故郷、というのかな?薩摩隼人の人達が扱った事で有名な策さ」
勇猛果敢で豪胆な薩摩の武士や侍の異称。その人達が使った戦術として最も有名なのが釣り野伏
少数の囮兵を敵軍に攻撃させ、後退することによって自軍の伏兵陣地におびき寄せ、突出した追っ手を伏兵で包囲殲滅する戦術
「これに加えて薩摩隼人の豪胆な性格を多くの人が知っていた為、誰もこのような策だとは思わず、本当の撤退と思い追撃して痛手を受けた」
「なるほどな。関羽ほどの猛者が殿として残った、と意識した時から策に嵌っていたか・・・」
「まあ、それは置いといて。もう一度言う。仲間になって欲しい」
「・・・・・・」
「華雄が仲間になってくれれば俺達はもっと強くなれる。強くなれば守ることの出来る人達が増える」
「・・・・・・」
「俺はこの連合に参加して他の勢力の強さを知った。それを知った上で、今の俺達じゃ幽州の人達を守れないと思った」
「・・・・・・」
「俺達は強くならないといけない。俺達を信じてくれる人達を守るために。否応無く戦いに巻き込まれてしまうかもしれない人達を守る為にも」
「本気、のようだな。だが私は敵将だぞ。例え傘下に入れてもいつ裏切るかわからんぞ?」
「その時は俺に落ち度があったか、天が見放したかしたんだろうよ」
「ふっ、天の遣いとやらが天から見放されることがあるとは、笑えんな」
「そうだな。だったら、笑われないようずっと仲間でいてくれよ?」
「それは貴方次第だな、主殿」
「う・・・」
「どうした?」
「いや、なんでもない。これからよろしくな、華雄」
(その笑顔は反則だろう・・・)



その後、軍事編成をする際に一騒動起きた
「あの、ご主人様・・・」
「ん?どうしたんだ朱里?」
「はい、華雄さんの部隊のことなんですけれども・・・」
「何か、あったのか?」
「いえ、これを」
「これ?どれどれ・・・」

華雄
武神豪撃
歩兵 90% 重歩兵 10% 弓兵 0%
鋒矢の陣 ―
魚鱗の陣 ―
車掛かりの陣 ―
八門禁鎖 ―
釣り野伏 ☆
鶴翼の陣 ―
衛範の陣 ―
雁行の陣 ―
イ?月の陣 ―
方円陣 ―

「・・・・・・」
「おや、主殿に軍師殿」
「いや、華雄、これって・・・」
「ん?・・・ふむ。これがどうかしたのか?」
「いや、どうかしたのかって、流石に極端すぎないか?」
「な、そんなことはない!極端とはこういうものをいうのだ!」

呂布
天上天下唯我無双
歩兵 100% 重歩兵 0% 弓兵 0%
鋒矢の陣 ―
魚鱗の陣 ―
車掛かりの陣 ―
八門禁鎖 ―
釣り野伏 ―
鶴翼の陣 ―
衛範の陣 ―
雁行の陣 ―
イ?月の陣 ―
方円陣 ―

「・・・・・・・・・」
「ふ、理解して貰えたかな主殿」
「50歩100歩だろ・・・」



猪武者と孫呉の阿蒙
「・・・・・・・・・・」
「うぉ、なんだこの雰囲気は」
「あ、ご主人様」
「朱里、一体何が?」
「えっと、華雄さんが・・・」
「華雄が?」
部屋の片隅に体育座りをして何かを呟いている華雄がいた
「・・・何があったんだ?」
「今日の部隊訓練の時に華雄さんの部隊だけ毎回全滅になってしまって、それで戻ってきてからずっと」
「毎回全滅・・・マジ?」
「はい、関羽隊、張飛隊、超雲隊、馬超隊、黄忠隊、諸葛亮隊、全てと戦って全滅なんです。陣営としては勝利している事が多いのですが・・・」
「あー・・・家の連中全員武とそれなりの知謀あるから真正面からだけだとまあありえるなぁ・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「それで、兵隊さん達にも華雄隊は死神部隊だ、とか言われてしまったらしく・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「サンダースかよ、いやなんでもない。しかし、兵の士気に関るとなると早急に対処しないと」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「可愛そうですけど、当面は城の守衛ですね。なんらかの形で兵に示しを付けてもらわないと」

「守衛か・・・今はそうするしかないけど、正直華雄の武は戦いで必要なんだよなぁ」
「(ピクッ)」
「そうですね。水関の時は苦戦しましたし、あの時からいる兵隊さん達は皆華雄さんのことを認めていますし」
「(ピクピク)」
「そうだ!あの話があるじゃないか!(・・・幸い愛紗もいないし)」
「どの話ですか?」
「んっと、昔、ある戦乱の大陸の中、一つの国にとある猛将がいたんだ」
その猛将は武勇においてその国1,2を争うほどの猛将だったが教養は全くといってよいほど無かった
しかし君主から教養の大切さを諭され、勉学に励んだ
その後、勉学に励んでいた彼はその国の参謀に認められ、後を継いでその国の為に大きな功績をあげた
彼は勇敢であるとともに軍略を知る、単に武将であるだけに留まらない人物と称され、後の歴史にその名を刻んだ
「という話さ」
「その方は、凄い努力家さんなんですね」


「むぅ・・・」
「どうした愛紗?」
「いや、良く分からないがこう、今すぐ殴りにいってやりたい衝動に駆られて」
「はぁ、いきなり何を。それに、誰を殴る気なのだ・・・」
「東の方、だな。私にも良く分かっていないが、兎に角苛々する」
「東・・・ふむ、呉の方角か。ああ、あの国の軍師達は紫苑に負けないほどだからな、敵対心を持つのも仕方ないか」
「ちょっとまて星、何を勘違いしている?」
「いやいや、気にすることはないぞ愛紗。きっと主も愛紗くらいの大きさが丁度良いと言ってくれるだろう」
「だから、勘違いをするな!私が言っているのはそういうことではなく―


「で、どこへ行く気だ華雄」
「え?いや、えーっと・・・そうそう、守衛をやるのであれば引継ぎに行かなければならないからな、うん」
「守衛、ねぇ。そこまで勉強するのは嫌なのか?」
「当たり前だ!あんなものは頭を壊す悪魔の言葉なのだ!」
「そこまで言うか・・・」
「というわけで私はこれ「じゃ、逃げたら華雄の服は今後一切メイド服だけな。戦闘服も私服も」それは嫌だ!」
「じゃあ大人しく勉強なさい。朱里、先生役頼めるかな?朱里の教え方なら分かりやすいし」
「いや、だからといって「はい、任せてくださいご主人様」あ、いや朱里殿?」
「あ、逃げたしたらすぐメイド服な。月に言って用意しておこうか。後でそっちに持っていくよ」
「分かりました。それでは早速」
「しゅ、朱里殿!?私はそんなことは、って首は痛い!しかも外れない!?ああ、なんだか首が絞まっていくような気が―」
「大丈夫ですよ、華雄さん。別にこの間の本を台無しにされて怒っているわけではないんですから」
「いや、絶対怒っているでしょうこの絞まり方は!主殿たす「少し黙ってくださいね」ハイ・・・・・・」
ドナドナが頭の中を流れていく。朱里が怒るとこれほど怖いとはなぁ・・・まあ本云々より勉強を罵倒したほうが問題かね?



「なあ、なんでこうなるんだ?」
あれから数日、久々に見た華雄は憔悴していたが俺を見ると自信満々に勉学の成果を見せてやる!と息巻いていた
「ん?だから朱里殿から習ったことを実地しようと」
「だからってなんで俺が縛られてるんだよ!!!」
そう、成果を見ようと俺の部屋に入った途端どこからか取り出した縄で一瞬にして縛られ、ベットに転がされた
「いや、これで合っているはずだ。教本にも書いてあったぞ」
そういって教本を取り出す華雄。その本には好色艶本触手淫獣の巻と
「いやいやまてまてまて、それは違うも「ふっ、問答無用」ちょ」



「シクシクシクシク」
「はぁ・・・気持ちよかった・・・ん、まさか勉学にこのようなものがあるとは。ふぅ、少し見方を変えねばならんな」
「シクシクシクシク」
「ふふ、では私は再び朱里殿に教えを請うてこよう。無論、会得した際には主殿にも協力して頂かなければな」



訓練風景〜夢と現実〜
「ばかな、ここまで押されるなんて・・・・・・」
あまりの被害の大きさに唖然とする愛紗
「伝令っ!張飛様、馬超様が討ち取られました!両隊は壊滅状態です!」
「な・・・鈴々が・・・翠が・・・」
「か、関羽将軍!黄忠隊と超雲隊が敵の勢いに押され後退、我が部隊は孤立しかけています!」
「くっ、黄忠隊と超雲隊の援護を、孤立する前に急いで合流するぞ!それと、本陣に援軍要請を」
「た、大変です!本陣が後方から奇襲を受けています!」
「伏兵だと!?少人数だからと油断していたのか。6倍差の兵数を持ちつつ負けるなんて・・・」
「うわぁぁぁ!!」
「どうした!?」
「敵本陣の突撃です、兵達の動揺著しく防ぎきれません!!」
次々と悲報を告げる伝令達の話を聞き、覚悟を決める
「これまでか・・・だが、私も武人の端くれ、やすやすと首を取られる気は無い。全軍突撃!!誇り高き北郷軍の意地を見せよ!!!」
「「「「「おおおおおおぉっ!!!!!」」」」」



「「「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」」」
「うぉ、なんだなんだ、一体何があったんだ?」
部屋の片隅で愛紗達が揃って落ち込んでいる。体育座りはデフォルトなのか?
「あ、北郷。いや、実はさっきの模擬戦でちょっと・・・」
そう言ってきたのは伯珪
袁紹軍に攻められ、殺されてしまうのが史実だが、友人となり俺達を助けてくれた伯珪の死を見過ごすはずなど俺には出来なかった
袁紹軍が動くのと同時にこちらも動き、なんとか伯珪の救出に成功した
以後は俺の部下として傘下に加わる、と言って来てくれたのでこうして仲間として共にいる
「模擬戦で?あそこまで落ち込むほどのことがあったのか?」
「うん、まあ・・・流石に24000対4000で負けるとね」
「24000対4000!?おいおい、まじで何があったんだよ・・・」
「ふ、主殿、これが生まれ変わった私の力です。驚きましたか?」
そこへ現れた華雄が胸を張って得意げにしている
「華雄・・・生まれ変わったって、流石に変わりすぎだろう・・・・・・」
「あー、北郷、これ」
「ん?どれどれ」
伯珪から渡された紙に書いてあったものは・・・

華雄
武神豪撃
歩兵 0% 重歩兵 0% 弓兵 0%
鋒矢の陣 ☆
魚鱗の陣 ☆
車掛かりの陣 ☆
八門禁鎖 ☆
釣り野伏 ☆
鶴翼の陣 ☆
衛範の陣 ☆
雁行の陣 ☆
イ?月の陣 ☆
方円陣 ☆

「・・・・・・伯珪、これマジ?」
「ああ、朱里の奴だからな、事実だろう」
いくらなんでもこれはおかしすぎないか?
「ふふふ。これで私が名実共に北郷軍一の武将だという事が分かっていただけたはず」
「あー、うん、ソウダネ」
「ふむ、些か反応が薄いのが気になるところだけど、まあいいでしょう。私は今とても気分がいい」
「ソウダネ」
「日頃から私を馬鹿にしていた詠や星もこれで何もいえまい。ふふふふふ」
「ソウダネ」
「では主殿、この良き日に褒美を頂くとしましょうか」
「ソウダネ」
「ふふふふふふふふ」
「北郷、逃げろ!」
「ソウd、へ?あ、あれ?」
「あーあ、ぼーっとしてるから・・・」
「ちょ、縄!?動けないし、なんか物凄い嫌な予感がするんですけどー!!?」
「うふふふふふふふふふ」
「いやー!縛られるのも入れられるのも嫌ー!!伯珪!たすk」
「触らぬ神に祟り無しってね。悪いけど私じゃ助けられないよ・・・・・・・・・少し羨ましいなぁ」



「んぅ、ふぁぁ」
「zzz」
「主殿・・・ふふふ、可愛い寝顔ですね」
ピラッ
「あら?この紙は・・・」

華雄
武神豪撃
歩兵 90% 重歩兵 10% 弓兵 0%
鋒矢の陣 ―
魚鱗の陣 ―
車掛かりの陣 ―
八門禁鎖 ―
釣り野伏 ☆
鶴翼の陣 ―
衛範の陣 ―
雁行の陣 ―
イ?月の陣 ―
方円陣 ―

「夢・・・・・・あ、あははははははは・・・・・・・・・orz」



「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
何故か部屋の片隅で落ち込んでいる華雄。最近習慣化してきたのは気のせいだろうか?
「あー・・・朱里、今度は何があったんだ?」
「えっと・・・今日の模擬戦で「なんとなく分かった」そうですか・・・」
またボロ負けしたんだろうなぁ、きっと・・・・・・
「あー、やっぱり落ち込んでるか」
「伯珪、模擬戦どうだったんだ?」
「ん、私達の負け。いやー、星はほんとに強いね〜」
「ふむ。確か今日は愛紗と鈴々と翠と伯珪だっけ?」
「そそ。星の伏兵にみんなやられてねぇ、私もまだまだだ、と痛感したよ」
「そっか、お疲れ様。ん?じゃあ華雄勝ったんだよな、なんであんなに落ち込んでるんだ?」
「それは・・・鈴々と華雄が派手に戦ってて、その隙を星がついたんだけど」
「うんうん」
「押されてるから私達が援護に出た時、流れ矢が華雄の乗馬に当たって落馬して」
「ありゃりゃ、ついてなかったんだな」
「・・・・・・私の白馬陣でプチっと・・・・・・」
プチっとって、そう簡単に踏み潰されるとは思えないんだが・・・それが落ち込んでる原因?
「・・・・・・・・・・・・」
「あ、あは、あはははははは・・・・・・」
伯珪の虚ろな笑い声が部屋中に響き渡り、その場を気まずい空気が支配した