ストーリー紹介
 
私立凌月学園に通う主人公――高藤篤志は、
どこにでもいる普通の学生。
気心の知れた友人と日々を過ごし、それなりの悩みを
抱えながらも、平穏な生活を送っている。
 しかし、4人の少女達との出会いをきっかけに、
篤志は様々なことを体験することになる。

突然身近な存在へと変わった無邪気な雰囲気を持つ
クラスメイト――『黛 叶子(まゆずみ かのこ)』、
屈託のないとぼけたやりとりで和ませてくれる
下級生――『真咲 花(まさき はな)』、
美人で盲目の先輩――『一ノ瀬 明星(いちのせ あきほ)』、
そして奇妙な転校生――『姫岸 唯緒(ひめぎし いお)』。
 同じことの繰り返しだった生活が、少女達とのやりとりに
よってすこしずつ変化していく。

叶子とは親しみの時間をかわし、
花とは馬鹿馬鹿しくも穏やかな気持ちを持ち、
明星には年上に対する憧れと気恥ずかしさを感じ、
唯緒には共感と好奇心を抱く。
 今まで、他人と必要以上に深く関わろうとしなかった
篤志に訪れた気持ちの変化。
それは、前向きで、清々しいものではあったが、
彼を思いもしなかった出来事へと後押しすることになるのだった。

切なく、過酷な運命へと。

 学校を騒がせる陵辱事件、
心を狂わし、悪魔に魂を売り渡すクラスメート、
押さえきれぬ嫉妬の炎に身を焦がし、
殺意すら芽生えさせる少女。

 それらは全て、人を狂わせる魔石、
魂の器とも呼ばれる『メザマレクの石』へと繋がっていた。
そしてメザマレクとそれに魅入られた人間を巡って
暗躍する闇の住人、不死者とも呼ばれる『ノスフェラトゥ』
篤志は、望むと望まざるに関わらず、世界は人間を
含めた生に祝福された生き物だけが住んでいるわけでは
ないことを知り、その恐怖にさらされることになる。

 身を焦がすような恋、
胸を締め付けられるような切なさ、
心を引き裂かれるような哀しみ、
守ってやりたいという強い願い――
そして、全てを押し潰す絶望。

 篤志は、恋を知ったが故に、
誰かと一緒にいたいと想ったが故に、
過酷な運命と向き合わねばならぬことになるのだった。


 
血と憎しみと恐怖に彩られた――儚くも美しい悪夢に。

  世界観設定
 ■倉塚市(くらつかし)






 今作品の舞台となる人口18万人程度の地方都市。
 10年ほど前から住宅区域が拡張し、マンションや新興住宅街が立ち並び始めた。都会の住宅街というほど、込み入った感じではなく、比較的のんびりとした雰囲気。
 ■メザマレクの石

 <魂の器>とも呼ばれる、人間の願いを叶える力を持つとされる魔石。しかし、願いを叶えることにより、その感情はメザマレクに蓄えられ、最後には使用者の精神を完全に喰らい尽くしてしまう。そうなると人間は心を失い、暴力的な衝動によってのみ行動する、化け物と等しい存在になる。
 心を喰らったメザマレクはノスフェラトゥに力を与えるものとなるため、彼らは人間をたぶらかし、石を与えるのだ。悪魔が魂と引き替えに願いをかなえるように。
 ■ノスフェラトゥ


 不死なる者の総称。異世界からやってきた存在で、人知れず、この世界で暮らしている。
数百年を越える寿命を持ち、並はずれた生命力を持つ。能力は個体差があり、洗脳などの力を備えている者もいる。
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